「運慶」見学
昨日は一日雨模様。東京国立博物館平成館で開催されている「運慶」展にやっと行って来ました。
10月11月は、私にしては週末の予定が入っていて、会期ぎりぎりになってしまいました。HPで混雑具合を確認して待ち時間なしだったのですが、確かにチケット売り場も入場も短い列、でもやっぱり会場は混雑していて目当ての作品を観るためには時間がかかります。
最初に対面する運慶処女作の「大日如来坐像」は大きくて優しくて厳かで素晴らしい仏像です。
父康慶作の興福寺「四天王立像」の凄いほどの迫力、「法相六祖坐像」のリアル感に圧倒されました。
鎌倉幕府との関係から東国でも数多くの作品を残した運慶、東国では武士を意識したのか、勇壮な毘沙門天や不動明王などの力強い仏像が多く、京の六波羅蜜寺の地蔵菩薩や、観音立像・菩薩立像などは穏やかで優美な像が多いような印象でした。
そして運慶の子や弟子の時代は「慶派」としてますます洗練された仏像を次々生み出していきます。最後に展示されていた十二神将立像」は東京国立博物館と静嘉堂文庫美術館にわかれて収蔵されているので、12体全て一緒の展示は42年ぶりだとのこと。
お寺に安置されている時と違って、360度拝見することができる展示となっています。衣の襞の流れや模様のひとつひとつまで見て取れ、仏様として対する態度としては邪道かもしれませんが、作品としての素晴らしさをじっくり味わえる展示だったと思います。
外に出れば短い晩秋の午後は夕闇が迫っていました。上野公園の噴水に不思議なオブジェがありました。お城とも楼門とも思えるもの、細い木を何本も組み合わせてあるようです。ライトアップされて池の水にも写りこんできれいでした。何のためのものかはわからず仕舞いでしたが。
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